地域新聞辻堂タイムズ
 
辻堂物語その22 辻堂の まぼろしの植物・
 
hamaboufuu
浜防風(はまぼうふう)
 

 辻堂の貴重な植物「浜防風(はまぼうふう)」。昔は辻堂の砂浜を中心に、辻堂西海岸の海軍の演習地の砂丘にもよくあったという。茎葉はやわらかくて芳香がありお刺身のツマや天ぷらにしても美味しく、昔は3月下旬から5月下旬にかけて子どもから大人まで皆で「浜防風」を採りに行ったのだという。明治小学校でも学校の行事として「浜防風狩り」が行われていたそうだ。大正から昭和20年生まれの方はご存知なのでは…。しかし昭和10年代、「浜防風」は漢方薬になるというので根こそぎ持ち去られたり、団地などの宅地開発で砂丘がなくなり絶滅状態になってしまった。現在は「湘南みちくさクラブ」などにより貴重な植物を絶やすまいと保護育成がされている。辻堂海浜公園の圃場で種をまき、2、3年かけ育苗し海岸に戻す作業が行われている。市内では、湘南海岸公園や久根下公園にも苗が植えられている。種まきには湘洋中学や高浜中学の生徒も参加し行われている。
  また、現在はまぼろしのきのことなってしまった「松露(しょうろ)」。辻堂おでんセンターや湘洋中学校が建つ前の砂丘の松林の中に自生していたという。直径3センチほどのじゃがいものような形をしていて、お吸物の中に入れたりして食べられていたそうだ。かつては「浜防風」と「松露」は藤沢駅前の露天で売られていて、江ノ島帰りの人達がよく買っていったのだという。

(参考資料:「辻堂のあゆみ」、「湘南みちくさクラブ」副会長・鈴木早苗氏談話)

 
 
2013月3号地域新聞辻堂タイムズ掲載記事