地域新聞辻堂タイムズ
 
辻堂物語その23 まぼろしの植物A  辻堂の原風景
 

 hamahirugao

「ハマヒルガオ」 5〜6月が花の見頃

 昔の辻堂地区をよく知る「湘南みちくさクラブ副会長」「長久保公園緑の相談員」の鈴木早苗氏にお話を伺った。 
「昭和34年頃までは、浜見山から汐見台公園付近(辻堂西海岸、辻堂海浜公園一帯)は砂浜が広がっており「辻堂砂丘」として有名でした。浜見山には大きな砂山があり子供たちがよく遊んでいたものです。現在の「汐見台公園」や「高砂小学校」のあたりには「クリーク」と呼ばれる池があり、トンボやフナ、ドジョウなどもいました。そして、現在は絶滅してしまったピンク色の花の「カワラナデシコ」がいたるところに咲いていました。また現在の「汐見台小学校」の付近には、今では非常に珍しい海浜植物となってしまった「ビロードテンツキ」も見られました。「湘南みちくさクラブ」では「ビロードテンツキ」の種をまき苗を増やす作業をしていますが、なかなか芽が出ません。「ハマボウフウ」「ハマヒルガオ」「コウボウムギ」をはじめとする辻堂地区の約20種類ほどの海浜植物は絶滅の危機もありましたが、現在は保護活動などの成果もあり少しずつ増えています。
昭和20年頃、辻堂は半農半漁でした。畑と田んぼ、果樹園も多くありました。「高砂小学校」から北側の辻堂、辻堂元町三・四丁目、ナショナル跡地付近には果樹園があり、桃、ぶどう、まくわうり(メロン)、すいか、さつまいもを育てていました。長久保公園と太平台は小高い丘の松林、引地川をはさみ東側(本鵠沼4丁目近辺)には田んぼが広がっていました。長久保公園を出てすぐ現在の「みどり橋」付近には「堰(せき)」があり、うなぎの稚魚「そうめんこ」をはじめ、多くの魚が海から上がってきたものでした。今も自然豊かな昭和20年代の辻堂の風景が懐かしく思い出されます」。

(鈴木早苗氏 談による)

   
kekamonohashi 「ケカモノハシ」穂の先が2つに割れてカモノハシのくちばしのようになる。5月以降に見られる。
   
 
2013年5月号地域新聞辻堂タイムズ掲載記事