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湘南自慢 「偉人伝」


「生涯現役」 岩田三郎さん

(鵠沼海岸在住)

~戦後バレー界のプリンス

 岩田三郎さんはジャンプが大好きな少年。練習をしないで走り高跳び170cmを軽くとびこす芸当はちょっと凡人では真似ができない沙汰である。

 昔から西の広島、東の藤沢と言われた名門藤沢商業に入学し、中学にして当時日本のトップレベルにあった早・明の大学選手と互角に活躍し、一躍その名を全国に轟かせた。早稲田大学に入学するが戦争で中断、戦後再び復学し、荒廃のどん底にあった大学バレーの早期復興にも盡力し、また技術的にも絶頂期を迎え「学生界のNO1」「早大の至宝岩田の殺人的スパイク」などと多くのファンを魅了したものである。天賦のジャンプ力、類を見ない手首のスナップとタイミングの良さでタッチアウト、フェイントなど次々と巧妙なプレーを生み出すと、各大学はその防衛策を考えることで関東大学バレーの技術の向上が図られたものであった。

 また彼はジャンプ力を高めるため自ら考案した「岩田歩行法」や、通学時の電車内では座席に座らずつま先立ちで足腰を鍛えたことなど多くのバレーボーラーの範となった。この話しを聞いた元巨人軍の川上選手も真似たという逸話もある。

 早大卒業後日本鋼管に入社、当時草バレーの域を出なかった日鋼はその強化策が奏功し、昭和30年代の黄金時代に突入するのである。現役引退後は「日本鋼管女子」、「早稲田女子」の監督、「日立女子」特別コーチ、タイナショナルチームのコーチなど指導面でも多くの足跡を残している。
 
 現在岩田さんは高齢者のレクリエーションスポーツとして、ソフトバレーの普及にも貢献。一昨年より「岩田カップ湘南リーグ」を立ち上げ、年3〜4回の大会を実施している。なんと83才の現在も生涯スポーツとしてソフトバレーの現役選手。70年に及ぶバレー人生で受賞は数知れないが、長年スポーツを実践し、広く国民に感動や勇気を与え、顕著な功績をあげたとして昨年、日本体育協会の「日本スポーツグランプリ」を見事受賞されました。(バレー界初)「天皇・皇后両陛下より暖かいお言葉を頂き、生涯忘れることのない感激でした。」と笑顔の岩田さん。

日本スポーツグランプリの受賞後、天皇陛下とご懇談する岩田さん。(左に両陛下、右は森日本体育会会長

月刊バレーボールの表紙を飾る岩田選手

 

【岩田歩行法】かかとを地面に付けずつま先で跳ぶ様に歩く訓練法

2008年2月号地域新聞辻堂タイムズ掲載記事