地域新聞辻堂タイムズ
宇久田進治取材記事
相続の豆知識! シリーズ1

やさしい『相続』さけよう『争続』

シリーズ1 相続の豆知識! シリーズ1(地域新聞辻堂タイムズ掲載記事)2007.04

 相続の遺言書を書いておく人が急増している。その数ここ十年で5割増しの7万件に達したと。そういえば信託銀行の遺言信託業務が増加しているという。

 如何せん相続争い(争続)がこれまた急増しスムースにいくほうが珍しい。家督相続の時代ではなくたとえば長男も次、三男もみんな均分、嫁に行こうが行くまえがこれまた均等である。代々商売を続けているそば屋の長男はその店舗の土地や家屋を相続しても自分のものであって自分のものでないであろう。またこのまま次世代に繋がなければと思うのが当然ではなかろうか。また中小企業の経営者の株式の相続も悩ましい。正直いって価値があるようでない。買ってくれる人もいない。
 経営を引き継ぐ人がもっと手厚く、優遇されてもいいのではないか。そう考えてくると民法上の法定相続分、いわゆる均分には疑問を禁じえない。兄弟間であってもあるメリハリは必要であろう。

 そこでどうしたら満足できる相続ができるかを考えてみよう。実は決め手というものはない。ケースバイケースである。自分亡き後を描き、自分の思いを生前に伝えておくべきであろう。親父がこうこう生前に言っていたことがスムースな財産分けの基礎である。そしてそれを書きとめて(遺言書)おくと良い。親父のこうして欲しいという意思が欲しいのだ。もとより親父の公平な良識あってこその話だが・・・。

 相続の仕事をさせて頂いているとつくづく代々つながる生き様そのままを映し出すような気がする。仲良くつながって行くことこそ最優先であろう。目先の得や損に惑わされ本線を見失うことが大いなる損失をまねいてしまっている。

 とくに相続人の間が複雑な場合など遺言書を書いておいて欲しいケースなど次号以下でお話させて頂きたいと思う。
シリーズ2 相続の豆知識! シリーズ2(地域新聞辻堂タイムズ掲載記事)2007.05

やさしい『相続』さけよう『争続』 前回は、相続が争続にならない為に遺言書を作成しておいたらどうかというお話をしました。今回は、どうしても遺言書を書いておいて欲しいケース、とくに家族関係が複雑な方についてです。 

例えば、
@子供がいない場合(親がすでに亡くなっている時は亡くなった方の兄弟姉妹に相続権
あり)
A先妻の子供がいる場合や後妻が相続人となる場合。
Bお孫さんに財産を分けてあげたい場合。
C法定相続人以外の人に財産を分けてあげたい場合。
D認知した子供がいる場合。
などあげることが出来ます。子供さんが数人いれば法定相続分は原則、みな等しくな
ります。
 家を継ぎ(商売をやっている家など)、農業を継いでいる長男も、親と共に苦労を重ねた長男も姉も妹も皆、均分との考えが民法です。
 そこで将来を見据えて存続していく為に、財産の散逸を防ぐ役割を持つのが遺言書です。最も「遺留分」(子供を例にとりますと、法定相続分の1/2)があり、請求することにより法定相続分の1/2までは確保されます。通常は遺留分を考慮して遺言書を作成します。兄弟姉妹には、遺留分を請求する権利はありません。

 次に、遺言書は自筆で書き署名捺印してもいいのですが(自筆証書)、間違いや日付が入っていない為、無効になってしまうケースもあるので、公証人に作成してもらう方が良いでしょう(公正証書遺言)。

 公証人役場に証人2名を伴い出向く必要がありますが、依頼すれば病院などに出張もしてくれます。費用ですが、財産の額によって違いますが遺産1億円位ですと10万円程度だと思います。
 前回もお話ししましたが相続で最も大切なことは財産を次の世代に継ないでいくこと、しかも「仲良く」が第一です。遺言書も確かに有意義なものです。が相続手続は遺言書によって始まるのではなく、すでに生前から日常生活の中で芽生えていると云えましょう。


 次回は、相続税についてやさしくお話してみたいと思います。
シリーズ3 相続の豆知識! シリーズ3(地域新聞辻堂タイムズ掲載記事)2007.06

 前回までの2回で誰でも避けて通ることができない<相続>について、争続にさせないため遺言書を書き残そうとお話ししました。今回は相続税についてそのポイントについてお話します。

 相続税のかかる方は実は意外と少ないのです。100人亡くなったとして、相続税の課される人は平均で4.2人程度です。しかし資産をたくさんお持ちの方はそれこそ土地を売って払わねばならなくなったり、土地などで納める<物納>による場合が出てきます。財産が多ければ多いほど税率は高く(3億を超えると50%)なっていく累進税率になっています。

 まず知っておきたいのは基礎控除です。5千万円と法定相続人一人当たり一千万円の合計です。例えば夫が死亡し法定相続人が妻と子供二人ですと、基礎控除は8千万ですね。8千万を超えますと10ヶ月以内に相続税の申告書を税務署に提出しなければなりません。納付は一括現金が原則です。現金納付が難しい場合は最高で20年の分割(延制度)もあります。この場合利子税(現在年4.2%)がかかりますので納付のプランが重要課題となります。

 さて相続税はどのように計算するのでしょうか。課税資産―債務↓課税価格となります。墓地は非課税、生命保険金や退職金は法定相続人一人500万円が非課税となります。
 非課税財産を除いたものが課税財産となります。そして借金や葬儀の費用を差し引いたものが課税価格となります。土地、建物、預貯金、株式、自動車や電気製品、書画骨董あらゆるものが課税財産を構成します。価格の計算は死亡日の時価となりますがこの計算はやや複雑です。実際の相続税の申告作成ではこの財産の評価が重要です。小規模宅地の特例などの特例もありますし、配偶者の税額軽減(基本的に配偶者はいくら相続しても50%は非課税)もあります。いちどいくら位の相続税になるか将来設計のためにシュミレーションしてみましょう。次回は相続税の節税策などについてお話します。

シリーズ4 相続の豆知識! シリーズ4(地域新聞辻堂タイムズ掲載記事)2007.07

 上手な相続の話し(争続にならない為に)も今回4回を迎えました。前回は相続税の計算をお話ししました。今回は相続税の節税についてです。かつては借り入れをして 
たとえばアパートを建てる節税策を資産家はよくとりました。借金は財産から引かれますし、土地の評価は下がりますし効果大と言えます。

  現在はとゆうと節税効果もさることながら、収支や利回りをあわせ検討し需給のバランスを考慮して判断するようになってきています。やはり節税策の一番は贈与を計画的に毎年やっていくことでしょう。贈与はあげるほう(贈与者)にとってももらうほう(受贈者)にとってもありがた味がなくては折角の贈与が活きません。その意味をこめ2500万円まで贈与税がとりあえずかからない〈相続時精算課税制度〉が近年脚光をあびています。これは将来の遺産相続を生前に済ませてしまう意味があり、かつ養育費や住宅取得、住宅ローン返済など有用なときに有効に使うことが出来ます。

 しかし誰でも良いというわけではなく65歳以上の父母から20歳以上の子へなど一定の条件があります。また2500万円を超える贈与の場合はその超える部分には20%の贈与税がかかりますが、相続時に精算され相続税が課税されないケースなどではこの贈与税は還付されます。条件など適用や手続きについてはやや複雑ですので税理士など専門家にご相談ください。基本的には贈与税の非課税枠は年110万円でご承知のかた多いと思います。株式や預金などこの贈与は誰が誰にやっても(例えば祖父から孫へ、また他人どうしでも)年110万円の基礎控除は使えます。

 またポピュラーなものとして結婚20年以上のご夫婦に認められる、自らの居住用不動産の贈与(2千万円まで非課税)があります。たとえば夫の財産から切り離されるので相続税の節税にもなります。登録免許税(登記代)や不動産取得税などはかかります。

 この他にも節税策として生命保険の活用、国などへの寄付、家屋の改装費、あるいは養子縁組する(法定相続人を増やす)などあります。いずれにしても過度な節税は場合によれば脱税とも見られかねません。むしろ納税対策が大切になって来ます。総合的なプランを描いてみましょう。

 次回は最終回としてその辺のお話しをしてみましょう。
シリーズ4 相続の豆知識! シリーズ4(地域新聞辻堂タイムズ掲載記事)2007.08

 いよいよこのやさしい相続さけよう争続」も5回目最終回である。今回はまとめとしてお話したいと思う。相続というと相続税をすぐ連想し高いと直感し、何か売らねば税金を払えないと多くの人は思う。相続税はたくさんの資産をおもちの方には極めて厳しい税ではあるが世の中大半の人は実は課税されていないのである。

 100人中5人程度しかかかっていない実態を知ることにより不安をなくしたい、そのためおおよそ我が家はこうなるというシミュレーションをあらかじめやっておくことを先ずおすすめする。そのうえで節税するには、納税するには、を考えよう。

 さて最も大切なことはといえば財産分けの問題であろう。近年この財産分けで兄弟もめることがいかに多いことか、親の相続を機会に兄弟仲たがいがいかに多いことか、これには民法の法定相続分が兄弟均分としていることが多いに影響しているだろうし、権利主張ばかりで譲らない現代の風潮もあろう。争続を避けるにはどうしたらよいか。遺言書を書いておけば万事平穏でもなかろう。思いほか少ない人は不満が残ろう。しかし、家族
関係が複雑で先妻の子がいたり、子がいなくて相続人が被相続人の兄弟姉妹になるケースなど是非遺言書が欲しい。相続のポイントは分割、節税、納税であろう。死亡時に相続は発生するが、実は日々財産形成が進み、そして次世代への継承が進行している。

 こう考えると日々相続に向けて進んでいるとすると日常生活の中に相続対策がひそんでいるのであろう。配偶者や子供に将来のわが家の道筋を語っておくことが大切だ。その中であらかじめ贈与しておくことも有意義であろう。元気なうちにやっておく人生締めくくりの最大行事であろう。なんといっても、兄弟仲良くが子孫繁栄の鍵である。
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2007-4 Tujidotimes